ユニ・チャームの価値創造と重要課題

統合レポート2018 Integrated Report

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ユニ・チャームの価値創造と重要課題

企業としての取り組み

コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方・方針

ユニ・チャームは、ステークホルダーとの適切な協働を図り、社会から評価・信頼される企業になることを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出に努めることが、社是に基づいた「正しい企業経営」につながると考えています。
このような目的を実現するため、さまざまなステークホルダーからの支援が得られるよう素直かつ積極的な対話を行うとともに、ESGの課題に取り組み、経営者が過ちを犯さないよう牽制する環境をさらに整えていくことによって、透明・公正かつ迅速・果断な経営を実現することをコーポレート・ガバナンスの基本的な方針としています。

マネジメント体制

当社は、執行に対する取締役会の監督機能強化、及び社外取締役の経営参画によるプロセスの透明性と効率性向上によりグローバルな視点から国内外のステークホルダーの期待に応えるため、2015年5月より監査等委員会設置会社に移行しました。独立性を有する監査等委員が取締役会での議決権をもち、監査等委員会が内部統制システムを積極的に活用して監査を行うことで、法令遵守のみならず、ステークホルダーとの適切な協働関係の維持や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土醸成を促しています。

コーポレート・ガバナンス体制(2017年12月31日現在)

ユニ・チャーム独自の経営手法

当社では、企業理念実現のために、一人ひとりが汗をかいて革新の震源となり、個々の振動がより大きく会社全体で共鳴し合い変化し合う、そして社員一人ひとりのビジョンの実現ができる企業経営の実践と、そのような企業文化を創造することを「共振の経営」と呼んでいます。経営陣は現場の生の情報に触れ、目線を共有することができると考えています。一方、現場の社員は経営陣との対話を通じて「経営者の視点、視座、時間軸」を学べるため、互いに葛藤し合いながらも相互理解が進みます。こうして現場と経営陣が努力の先にある目的を共有することで、社内に厳しくも心地よい一体感が醸成されます。日々の工夫や知恵が現場と経営の間を行ったり来たりする「振り子」のような共振。これこそ、現場の知恵を経営に活かし経営の視点を現場が学ぶ「共振の経営」です。

「共振の経営」イメージ図

人間尊重、達成感重視のSAPS手法

2004年から全社展開しているSAPS手法の目的は、優先順位(付加価値)の高い課題に時間と行動を集中することによって、貴重な時間を有効に活用し、人生を幸せに過ごすことです。そのための取り組みのひとつが「SAPS経営モデル」です。いわゆるPDCAサイクルですが、社員全員が「半期目標達成のための月次目標」→「月次目標達成のための週次目標」という流れで計画を立てるといったように上位の目標からブレイクダウンさせていきます。そうすることで仕事一つひとつに目的ができ、優先順位が明確になります。たとえ計画通りに進まなくても、進捗を見える化することで現状を自覚し、上司や同僚と共有しアドバイスをもらうことで改善につながります。6つの要諦を重要なポイントとしてSAPS手法に取り組み、実践することで、多様な価値観をもった自立した個人を尊重しお互いの力を引き出し合い、全体が成長する喜びを分かち合うことを目指しています。SAPS手法により、社員の“志”、“経済”、“心とからだ”の3つの豊かさを実現していきたいと考えています。

時間を最大限に活かすユニ・チャーム独自の経営手法「SAPS経営モデル」

「SAPS経営モデル」イメージ図

社員意識調査の実施

社員の満足度や達成感、やりがい、仕事に対する意識を確認するため、毎年2回、国内外グループ全社で「社員意識調査」を実施。継続的に調査することで、社員活性化・組織運営はもちろん、さまざまな人事・経営施策に活かしています。

全社員(正社員)の満足度に関する指標

コンプライアンス

基本的な考え方・方針

コンプライアンスの考え方

ユニ・チャームは、社是に「企業の成長発展、社員の幸福、及び社会的責任の達成を一元化する正しい企業経営の推進に努める」と掲げ、これを経営の指針としています。取締役及び社員が高い倫理観をもち、法令及び定款を遵守するための指針として、当社における行動指針等を冊子にまとめて解説した「The Unicharm Way」を作成し、企業活動を通じて贈収賄や過剰な接待及び贈答、不適切な政治献金、インサイダー取引の禁止など腐敗につながる行為の防止に努めています。「The Unicharm Way」に掲げる精神を、社長執行役員及び執行役員が全世界の社員に発信し続けることにより、企業倫理意識の向上及び浸透に努め、コンプライアンスがあらゆる企業活動の前提にあることを徹底しています。

マネジメント体制

当社は、品質・安全・環境を骨格とする、あらゆる社会的責任に係る事項の活動監視を目的とした「CSR委員会」を設置し、企業行動の適法性、公正性、健全性の確保を行っています。また法令違反、社内規程違反、重大な企業倫理違反に関する相談・通報窓口として「コンプライアンス ホットライン」を、社内のハラスメント行為や人間関係等の職場の問題に対する相談・通報窓口として「りんりんダイヤル」を設置し、コンプライアンス体制の整備・充実に努めています。これらの運用窓口として企業倫理室を設置し、重篤な問題の発生時には、委員長である社長執行役員が、副委員長、監査等委員を常任委員とする「企業倫理委員会」を招集し、問題の解決に当たっています。その他、部門の業務執行が、法令等に則って適正に行われていることを監査するとともに、必要に応じて改善提言を行うため、各業務執行部門から独立した社長執行役員直轄の内部監査部門を設置し、当社及び子会社の内部監査を行っています。
また、取締役会において強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組む方針を定め、関係部門において取り組みを進めています。さらにお取引先においては、公正な関係を保つため、取引における腐敗行為を未然に防げるようサスティナブル調達ガイドラインのなかで、法令・社会規範の遵守と公正な取引、贈賄及び賄賂の禁止を明示し、取引における包括的な腐敗防止を推進しています。

リスクマネジメント

基本的な考え方・方針

ユニ・チャームは、グローバルな事業活動を通じて、企業価値を持続的に向上させ、お客様・株主・お取引先、地域社会をはじめとする全てのステークホルダーから信頼される、誠実な事業活動を行うことを誓っています。その実現のために、「社是」・「“我が五大精神”と社員行動原則」・「“信念と誓い”と企業行動原則」・「ユニ・チャームグループ行動指針」を策定しています。
この目的の達成に影響を及ぼすさまざまなリスクを適切に把握し、その未然防止及び発生時の影響最小化と再発防止を、経営における重要な課題と位置付けています。その上で、グループ全体のリスクマネジメント体制を構築し、その実践を推進するとともに継続的にESGリスク管理の見直し、改善を実施しています。
取締役会では、各部門長より定期的に報告されるESG重要リスクを分析・評価することによって改善策を審議し決定しており、取締役会は監査等委員から独立し実施されています。

また、CSR委員会で「リスクマネジメント」をテーマに危機管理の重要性について学び、事業上リスクとなる可能性があると考えられる主な事項を以下のように定義しCSR委員会で討議しています。

重要リスク

これら、リスク管理において当社では、メーカーとしての品質・環境リスクも重要な事業リスクとして捉えISOをフレームワークとしています。また、災害時の事業継続リスクなどを個別にマネジメントしています。

知的財産を守るために

知的財産本部は、知的財産を経営意思決定に役立てる「IPランドスケープ」の実践を目指し、グループの知的財産を一元管理し、事業戦略・開発戦略と連動した知的財産戦略を策定・遂行しています。
特許出願戦略として、事業・開発成果に対して知的財産として保護・活用を図るとともに、事業のグローバル展開に応じ、海外特許出願を強化しています。その結果、グローバル特許出願率は約80%(2014年)、日本特許登録率は94.8%(2016年)と業界トップクラスの割合を獲得しています(「特許行政年次報告書2017年版」より)。また、当社では環境に配慮した商品及び技術の開発に注力するなか、使用済み紙おむつから衛生的で安全な上質パルプを得る基本技術に関する特許権及びパルプを得る工程において微生物燃料電池を利用して水質浄化と同時に発電を可能とする処理方法に関する特許権を取得しました。今後、実用化に向けた技術開発と併走して知的財産の保護と活用を進めていきます。一方、グループのブランドを守る商標は、世界160ヵ国以上の国で出願・権利化とその活用を行っており、パッケージ保護も含めたブランド保護を実践しています。
また、知的財産権の質を高めるとともに、日本特許庁の「事業戦略対応まとめ審査」の積極的な活用、ASEANの「特許審査協力プログラム(ASPEC)」のユーザー世界第1号登録の獲得、日本特許庁とブルネイ特許庁が合意した「特許審査ハイウェイ・プラス」制度の第1号登録の獲得、商標も、「Moony」「Sofy」の音声について日本、中国で登録を獲得、タイでもユーザー世界第1号出願をするなど、国内外で特許、商標などの知的財産ポートフォリオ構築活動の強化に取り組んでいます。
一方、自社の知的財産権の侵害、不当な権利行使に対しては訴訟など断固とした姿勢で臨み、事業部門・開発部門・海外現地法人と緊密に協働し、各国政府とも連携を図りながら、国内はもとより、アジア、ASEAN、中東、アフリカ、またeコマース上での権利侵害品、模倣品を排除しています。特許や商標、景品等表示法などに関する社内コンプライアンス教育は、国内及び海外現地法人の社員に対して、OFF-JTやOJT、またeラーニングを組み合わせることで、グループの行動指針にもある自社及び他社の知的財産の保護・尊重を浸透させ、知的財産を活用する企業づくりを行っています。
さらに社会的な活動として、当社では、日本、アジア、ASEANの特許庁との積極的な意見交換を通じて、国際的な知的財産政策への提言や働きかけも進めています。

事業継続計画(BCP)

ユニ・チャームでは2005年度よりリスク対策の強化を図っています。国内で発生が危惧されている首都直下型地震や東海、東南海、南海三連動型地震など緊急時を想定した事業継続計画(BCP)を策定しています。本社事務所と近隣工場及び営業所を含む地域における首都直下地震(震度6強程度)を想定したシナリオを策定し、影響度評価、被害想定などを作成、実際に緊急事態が発生した場合に事業を継続させるために、社員及びその家族の安全確保、事業継続のための代替拠点の検討や組織体制、バックアップ体制を構築し、シナリオに基づく緊急事態を想定した避難訓練を継続的に実施しています。

事業継続計画の主な概要

BCPマニュアルでは、社員、家族の安全確保を第一とし、生活必需品である当社の商品を被災地をはじめとして必要とされている皆様に可能な限り迅速にお届けできるよう、本社機能の確保を中心に重要業務復旧のための手順を策定しました。
社員の自覚向上や主体的な行動がとれるように、eラーニングの実施や緊急時にも素早く確認ができる災害対策ポケットマニュアルを配布しています。災害時の社員の安全確認と業務機能を継続できるように社員がスマートフォンを常時携帯するインフラ構築や、拠点別の防災訓練の実施、普通救命講習会、機能部門別訓練の実施、発災後の初動対応や、社員の安全確保と災害対策本部機能の確認を重点に、国内全社員を対象とした安否確認訓練を実施しています。
また、2017年には生産拠点における夜間避難を想定した訓練など、継続的な教育・訓練を実施しており、今後も海外における暴動やテロ対策などグローバルでリスク対策強化を推進し、想定し得る事態への対応を整備していきます。

※BCP:有事発生時に基幹業務を早期に復旧し、継続して遂行するための計画

「クライシス対応訓練」の様子/「本社救命講習会」の様子/「災害対策ポケットマニュアル」

ユニ・チャームのアプローチ   ~企業としての取り組み~

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